「妻はベトナム人」の支援者から「在留申請オンラインシステム」について、実体験を基にやり方をご教授頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
本記事では、「在留期間更新許可申請」を基にしております。
このサービス(「在留申請オンラインシステム」)は、2022年3月より運用スタートされております。
在留期限の3か月前から申請が可能ですが、オンライン申請システムを理解する時間と出申請後の審査の過程で出入国在留管理局から追加資料があった場合の再提出のことを考えると、遅くとも在留期限の2か月前には申請準備したいです。
年末年始やゴールデンウイーク・お盆・シルバーウイークを挟む場合は、その期間分も考えた申請が必要です。
在留資格申請は、これまで申請者の居住する地域を管轄する出入国在留管理局 窓口へ出向いて手続きを行っていましたが、これからは、自宅やオフィスで申請手続きができて、在留カードが郵送又は窓口の二種類の方法で受け取ることができるのです。
オンライン申請対象手続き
①在留資格認定証明書交付申請
②在留資格変更許可申請
③在留期間更新許可申請
④在留資格認定証明書交付申請
⑤在留資格取得許可申請
⑥就労資格証明書交付申請(注)
⑦再入国許可申請(注)
⑧資格外活動許可申請
(注)②③④と同時に行う場合に限ります
本記事では、③在留期間更新許可申請を行った場合での仕方を説明しております。
オンライン申請から新しい在留カード到着までの所要日数
申請から在留カード到着まで、目安として2か月かからないくらいでしょうか。
(本オンライン申請システムの理解にも1週間ほど掛かるとして、審査過程で追加資料を求められることがあるかもしれないことを考慮)
在留カード到着まで | 目安日数 |
申請日 | - |
審査完了メール受信 | 20日~40日 |
在留カード郵送受け取りの書留を郵送 | 2日~3日 |
在留カード発行期間 | 8日 |
在留カード到着 | 2日~3日 |
メリット
・自宅やオフィスから手続できます!
・システムの利用料金は無料です!
・24時間利用できます!
・在留カードを郵送又は窓口の二種類の方法で受け取ることができます!
オンライン申請の前提条件
・申請対象者が、マイナンバーカードをお持ちの外国人であること
・日本国内に住民票を置いていること
対象となる在留資格
220316_在留資格申請にあたり準備するもの
①マイナンバーカード
②在留カード
③パソコン(スマホ、携帯電話等対応していません)
④ICカードリーダライタ
⑤JPKIクライアントソフト
※⑥スキャナー機能のある家庭用プリンター
※あると便利ですが、ない場合はコンビニのマルチコピー機を利用
認定申請で配偶者ビザを取得する(外国人配偶者が現時点で海外に居住中である)場合は、日本人配偶者のマイナンバーカードを用意してください。
一方、変更申請(他のビザからの切り替え)や更新申請(ビザの期限延長)を予定しているご夫婦は、外国人配偶者のマイナンバーカードが必要になります。
外国人配偶者を海外から直接呼ぶ(認定申請を選択する)場合、在留カードはそもそも存在しないため不要です。
変更申請と更新申請は原則、外国人配偶者が本人名義で申請する流れになります。日本人のあなたは、あくまでもサポート役に回るイメージですね。
ICカードリーダライタは何に使うの?
ICカードリーダライタは、マイナンバーカードに記録された情報を読むための装置で、パソコンにつないで、公的個人認証サービス受けます。
公的個人認証サービスとは、インターネットを通じて安全・確実な行政手続き等を行うために、他人によるなりすまし申請や電子データが通信途中で改ざんされていないことを確認するための機能を有しています。
安いもので1000円台からあります。ICカードリーダライタ(リーダー・ライター)自体は更新申請(ビザの延長等)時に何回も使用できますし、なにより出入国在留管理局で何時間も待つ必要がなくなります。出入国在留管理局までの交通費も浮くので、数千円の元は取れると思います。
JPKIクライアントソフトとは?
JPKI利用者ソフト(利用者クライアントソフト)は、公的個人認証サービスを利用した電子申請を行うときに、マイナンバーカードに搭載された電子証明書を使用して署名を付与するための専用ソフトウェアです。
公的個人認証サービスを利用して電子申請を行うには、事前に電子証明書が記録されたマイナンバーカード(ICカード)とICカードリーダライタをご用意ください。
在留申請のオンライン手続
「在留申請オンラインシステム」の在留申請のオンライン手続ページはこちら
「在留申請オンラインシステム」のオンライン手続ページには、リーフレットや利用者別の案内がありますので、確認・理解した上で、「在留申請オンラインシステム」のトップページへ進むことをお勧め致します。
トップページ には、外国人にも分かり易いように”【最初(さいしょ)の画面(がめん)】”と表記されています。
この時、新規利用者登録 【システムを使(つか)うための登録(とうろく)】がページ下部にありますが、新規利用者登録が終わっていないとログインが出来ません。
手順の確認
「在留申請オンラインシステム」のオンライン手続ページの「■利用者別」の案内の中「外国人本人・法定代理人等の方」で手順が示されています。
STEP0 | 簡単な手順説明 |
STEP1 | ICカードリーダライタとJPKIクライアントソフト等、申請にあたり準備するものを用意して利用者情報登録を行う |
STEP2 | 利用者情報登録を行うと通知メールが届いて、この通知メールからパスワードを設定することで認証IDが通知され、オンラインで申請環境がOK 申請に必要な各種様式の確認はこちら |
STEP0~STEP2まで確認出来たら、「在留申請オンラインシステム」トップページ”【最初(さいしょ)の画面(がめん)】”「外国人本人・その他」ボタンからマイナンバーカード・ICカードリーダライタを使用してログインして下さい。
申請情報入力から申請項目を埋めていくのですが、前提として窓口申請がオンライン申請になっただけなので、申請に必要な書類は同じです。但し、申請をオンラインで行うので「申請書」は必要ありません。
注意事項
①在留カード番号とED番号を連続して入力する項目があるのですが、両方を入力するとエラーになるので、在留カードがある方は在留カード番号だけ入力して下さい。
②身元保証人の項目で身元保証人の名前を入力する際に、名前を漢字で入力するとエラーになります。身元保証人の名前はアルファベット入力します。例えば「HANAKO,YAMADA」の様に入力し、「,」(カンマ)で区切ります。
③申請情報の入力が終わってもそれだけでは申請完了にはなりません。
「日本人の配偶者」更新申請に必要な添付書類
添付書類をPDF化
「配偶者の戸籍謄本」・「身元保証書」・「配偶者の住民票(全員)」・「パスポート」・「在留カード」・「住民税の課税証明書及び納税証明書」をスキャンしてPDF化します。
それぞれの書類を個別にスキャンして、ネット上でPDFを結合出来る無償サービスがあるので、それを利用して結合します。外国人のパスポートと在留カードを一緒にスキャンすれば、全体で6枚のPDFになるはずです。
(PDFの解像度は200dpi相当以上が推奨となっております)
写真について
外国人の写真はスマートフォン(iPhone等)を使用するのが便利です。大まかに構図を決めて撮影したら、その写真を自分宛にメールで送信します。送信する際に添付データのサイズを聞いてくるので、「中サイズ」で送信します。受信した写真は中サイズのデータになっているのでJPEGファイルでPCに取り込み、取り込んだ写真の縦・横をトリミングして50KB以下に調整します。
・Windows で、50KB以下の調整方法(例)
-Windows「フォト」で4:3へトリミングして「ペイント」でピクセル調整してダウンサイズ
添付書類をアップロード注意点
申請情報の入力が完了すると、必要書類をアップロードする為の画面に切替わります。
必要書類は「資料を添付する」から、写真は「顔写真を添付する」からアップロードします。
アップロードが出来たらオレンジ色の「入管庁に申請を行う」をクリックして申請完了です。
添付書類アップロード画面にならない
万が一、必要書類をアップロードする為の画面に切替わらない場合は「申請情報検索」ボタンをクリックして検索画面に移動して検索するのですが、入力する項目は申請窓口名と在留カード番号だけです。
札幌は札、東京は東、仙台は仙と表現しているので、居住地を管轄している窓口名を選択して在留カード番号を入力すれば、アップロード画面になります。
添付書類のサイズ上限は10MB
添付書類の容量には10MBの縛りがあるのですが、PDF化・結合して、PDF6枚程度であれば10MBを超える事はないはずです。
追加書類を求められる場合あります
オンライン申請をしても、書類の不備等何らかの理由で、後日 出入国在留管理局から追加提出を求められることがあります(郵送でその旨連絡あります)。
「妻はベトナム人」の支援者の実体験での追加要求
「妻はベトナム人」の支援者がオンライン申請後に書類の再提出を求められた件で、結果的には、提出した書類に不備はなかったのですが、出入国在留管理局の職員の勘違いで何度か無駄なやり取りがされたようです。
書類に誤り等あって不備があるのはよくあることだと理解しますが、まれに出入国在留管理局の職員の誤りもあるという困った事例です。
出入国在留管理局は世帯としての生活費の支弁能力を見る
オンライン申請でも窓口での申請でも必要書類では、申請者本人の住民税の納税証明書と課税証明書を求めています(ない場合は就業を証明する書類)が、前述、支援者が出入国在留管理局への問合せの際に職員から聞いた話によると、世帯としての支弁能力を見ているので申請時でも更新時でも申請者と配偶者の納税証明書と課税証明書を付ければ間違いないです、、、との回答だった様です。
審査完了通知~在留カード郵送手続き
メールでの審査完了通知
窓口申請をした場合は葉書で通知がきますが、オンライン申請ではメールで「審査完了」の通知が来ます。
メールの「審査完了」通知は、葉書同様OK・NGの表現はなく、納付書に四千円の収入印紙を貼って提出する旨の内容が記されているので審査に通った事が分かります。
在留カード郵送手続き
郵送で在留カードの受け取りを希望する場合は、書留分の切手を貼った封筒・手数料納付書(印紙込み)・現在所持している在留カードを郵送します。
窓口を希望する場合は窓口へ出向いてください。
マルちゃんの一言
本記事は、「妻はベトナム人」の支援者による情報提供によるものですが、事前登録~申請完了までに二週間要して相当苦労したようです。
このオンライン申請システムの癖や特徴を見つけ出すのに、かなりの時間が必要なようで、ネットの情報を検索すると「事前登録」に関する情報はあるものの、「本申請」関係の情報は無かったようです。
本オンライン申請システムが2022年3月に運用開始したということで(この記事を書いた年)、まだまだ利用者が少ないようです。
ただ、本オンライン申請システムが理解されていて、審査過程の追加資料の提出もなければ、3週間程度で発行可能で、窓口申請より若干早いようです。
追加資料の提出も、慌てて提出して、2度も3度もなんて困ったことにならないように、十分な準備と余裕を持って行動して下さい。
オンライン申請に必要なモノとして、「マイナンバーカード」・「在留カード」・「PC」・「 ICカードリーダライタ」・「 JPKIクライアントソフト」を紹介しましたが、スキャン機能のあるプリンター(PDF化)があると便利です。
マイナンバーカードは持っていても、生活の中で特に役に立つモノではなかった感がありますが、本オンライン申請システムでは必須なモノとなっています。今後、マイナンバーカードの普及と利便性が向上して、私たちの暮らしに役立つモノになっていくことを願います。
では皆さん頑張ってください!